この記事では 翻訳機「arrows hello AT01 (アローズ ハロー)」を使用した感想を紹介しています
「arrows hello AT01」の基本性能
富士通コネクテッドテクノロジーズが展開するarrowsブランドから、翻訳機「hello AT01 (アローズ ハロー)」が発売されました。
ただ「富士通」といっても日本国産モデルではなく、実際に製造しているのは中国の「youdao(有道 ユー・ダウ)」という会社(※1)。
ハードウェアも含めOEM製品ではあるものの、商品企画や設計などでarrowsのDNAが取り入れられているそうです。
※1:製造元は「NetEase Youdao Information Technology (Beijing)Co.,Ltd.」です
基本スペック
ざっくりと「arrows hello AT01」の基本スペックを確認してみましょう。※公式サイトはコチラ
対応言語数 | オンライン:28言語/オフライン:3言語 ※対応言語はコチラ |
---|---|
翻訳エンジン | 1つ(有道)のみを使用 |
翻訳の方向性 | 双方向 |
翻訳方法 | オンライン/オフライン 両用型 |
通信手段 | Wi-Fi のみ ※SIM非対応 |
画面 | 3インチ ※タッチパネル |
他の機能 | カメラ翻訳、Bluetooth 4.1 |
動作時間 | オンライン:約9.7時間/オフライン:約6.3時間 |
サイズ(mm) | 50 x 13 x 236 |
重量 | 101 g |
本体色 | 墨(黒)/レッド |
対応言語数が「28ヵ国」と最近の翻訳機にしてはちょっと少な目の印象ですね。※対応する言語はコチラ
今後のアップデートに期待したいところです。
ちなみに 競合する翻訳機の対応言語数は以下の通り。
ポケトークの対応言語は、音声&テキスト出力に対応した言語が55言語となっています。 他に テキストのみ出力(音声の出力がない)対応言語が19あり、両者の合計は「74言語」になります。
翻訳エンジン&サービスは「有道(ヨウダオ)」1社のものを採用。
ポケトークWなど競合する翻訳機の多くが「英語はGoogle翻訳、中国語は〇〇、ドイツ語は○○」といった具合に、言語によって最適な翻訳エンジンを変える方式を選択している中、これはちょっと珍しいタイプ。
自社開発ですべてを賄う、ということのようですが翻訳精度的にはちょっと心配な気も・・・
対応言語数が少ないのもこのへんに関係がありそうです。
ネット経由のオンライン翻訳に加えて、オフラインでの翻訳にも対応しています。
そのため、ネット環境のない場所でも「日・英・中」の3言語でオフライン翻訳が可能です。
通信手段は Wi-Fiのみとなっており SIMには非対応です【ココ大事】
広範囲で使用したい場合は、ポケットWi-Fiなどのモバイルルーターを持ち歩くようにしましょう。
内蔵カメラで撮影した写真内の文字を翻訳する「画像翻訳」に対応しています。
街の案内や、レストランのメニューなどの翻訳にも活用できます。
※カメラは、普通のカメラとしての利用はできません。撮影した画像を保存したり、外部出力したりはできませんのでご注意ください。
「arrows hello AT01」の外観
というわけで「arrows hello AT01」を購入したので、実機をみていきましょう。
内容物は↓こんな感じ。
- 保証書(1年)
- 使用説明書
- 充電用USBコード ※ACアダプタは付属しません
- 「arrows hello AT01」本体
とても あっさりとした内容になっています。
外観
正面はこんな感じ。
本体右側に電源ボタン(上)と、翻訳ボタン(赤・青)が配置されています。
電源ボタンは、誤動作防止のため、上に押し上げ(長押し)てONにします。
本体上部のこの穴はマイクの一つなのですが「ノイズキャンセル」用のもの。なので ここに話しかけても音は拾いません
本体下部のこちらの穴が、実際に音を拾うマイクになります。
本体下面に充電用USBの口があります(USB Type-C)。
背面はこんな感じ。
背面丈夫にスピーカーと、カメラのレンズ。
下部にはシリアル番号などの情報が記載されたシールが貼られています。
ちなみに サイズ感を ほかの翻訳機と比較してみるとこんな感じです。
他と比べても非常にコンパクトなサイズになっています(50 x 13 x 236mm)。
基本画面
基本画面はこんな感じです。
非常にシンプルで分かりやすいUIになっています。
画面に表示された言語の位置が、本体右側面の翻訳ボタンに対応しています。
上図の場合、右側面(上)の赤いボタンを押しながら「日本語」で話しかけると、英語に翻訳してくれます。
話しかけている間は、ボタンを押し続ける必要があります。
翻訳ボタンを離すと、自動で翻訳が行われ、結果が音声で出力されます。
翻訳履歴は過去1件分しか保存できません(これはちょっと寂しい・・・)
画像翻訳
本体内蔵のカメラを用いて、画像翻訳を行うこともできます。
Google翻訳アプリの画像翻訳とは異なり、レンズを向けた際にリアルタイムに翻訳するような機能はありません。
まず写真を撮影し、その写真を画像解析して翻訳を行う流れになります。
試しにこちらの本の表紙を画像翻訳してみました。
ザックリと翻訳すると↓こんな感じでしょうか?
【小見出し】有名な「Muybridge Collection」からの196枚のプレート(4700枚超の写真を含む)。アーティスト、医師、研究者にとって価値があるものとして選ばれています。
【著者】エドワード・マイブリッジ
翻訳結果は、元画像を「オン/オフ」にしてそれぞれ表示することができます。※翻訳結果はどちらも一緒です
まずは 元画像をオフにした画面です。うっすら元画像が見えつつ黒背景に文字が表示されます。
こちらは元画像の上に そのまま翻訳結果が表示されます。
で、気になる翻訳結果が↓こちら。
- タイトル部分:人間 図 動き
- キャプション部分:4700のインディアンの家系図を調べてみた aedweard|UNK|UNK|UNK muybridge |UNK|UNK|UNK
タイトル部分はいいのですが、キャプション部分はちょっと厳しいですね。翻訳精度を上げるには、撮影方法などをもう少し工夫する必要がありそうです。
関連記事 ちなみに 同じ書籍の画像翻訳をMAYUMI3でも行っていますので、そちらも参考にしてみてください。
「arrows hello AT01」で翻訳してみた
※音声翻訳の結果は現在記事にまとめている最中です。近日中にアップします。
「arrows hello AT01」の感想
よい点
・UIは非常に優れていて 操作に迷うことがない
気になった点
・翻訳履歴が1件だけなのが残念
・ネックストラップがつけられない・・・
・SIM非対応なのに この値段?
まとめ
オフライン翻訳&画像翻訳に対応している点が 「hello AT01」最大のポイント。
ただ 同じ機能を備え、SIM対応かつ対応言語数などの点で勝る「MAYUMI3」や「KAZUNA eTalk5」が ほぼ同等の価格で売られているので、なにか「もう一押し」が欲しかった気がしますね。
また、機能的にも「翻訳履歴が1件だけ」というのはちょっと残念。
正直いって この値段(税込 3万円強)はちょっと高いかな~
競合のSIM非対応モデルと比較しても5千円程度高い感じで、arrowsのブランド料分が乗っかっている感じでしょうか?
ただ、インターフェースは丁寧で分かりやすく、直感的に操作できるので、年配の方などでも迷うことなく利用できると思います。
まだ発売されたばかりなので、今後のアップデートで さらに使いやすさ、快適さを向上させていってほしいですね。
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